心霊現象 研究同好会
「あの、智樹さん。 「色」とはどういう意味でしょうか?」
と聞いたのは、一連の出来事を見ても唯一表情を変えなかった郁也先輩だった。
この状態でまったく表情を変えないなんて、さすが郁也先輩だ……。
「あぁー、神代くんも色は見えない派か。 えっとな、幽霊やらなんやらが見えるのは多分一緒だと思うけど、俺の目には人のオーラも見えるんだ。 淡い緑だとか青だとか、黒っぽいのや白っぽいのとか、色々な」
「……ちなみに俺は何色なんですか?」
「その日の体調や精神的なものでも違ってくるんだけど、今は淡い紫…と淡い青が混じり合ってる感じかな。 とても綺麗な色だよ」
淡い紫と青。
なんとなく…郁也先輩っぽい色だな、と感じる。
オーラの色にどんな意味合いがあるのかは知らないけど、その色を聞いて妙に納得してしまう。
「……なるほど。 じゃあ「特別な色」っていう桜井先輩はどんな色なんですか?」
うんうん、それが気になる。
特別……ってことは凄く豪華な色とか?
オーラは単色だけじゃなくて混じり合うのもあるみたいだから、もしかして虹色?
それなら凄く特別っぽいかもっ。
「桜井は色なしだよ」
……え?
色なし??