心霊現象 研究同好会
「どの色も見えない。 いわゆる透明色ってやつだな」
透明……って、特別なの?
「あの、智樹さん。 透明って特別なんですか? 私的には虹色とかの方が凄く特別っぽい気がするんですが……」
「あー虹色は確かにあんまり見ないね。 でもさっき言った通り、オーラの色はその日の体調や精神的なもので決まるんだ。 だから「そういう日もある」ってなれば、そう見える時もあるんだよ」
「……あぁ、そっか。 だから透明は特別なんですね。 透明は、何も無い…数字で言えばゼロ。 ゼロにはずっと、何を掛けてもゼロですもんね」
「うん、色が混じり合ってるっていうのだけ見りゃ足し算なんだけど、でもほら、感情が爆発する…みたいな言葉があるだろ? アレってまんまオーラのことを指してると思うんだよね。 そして爆発するってことは、モノが一気に増えるってこと。 つまりは掛け算だ。 だけどコイツの色はずっと透明で、なんの色も見えない。 幽霊のことに対してアホみたいに感情を爆発させてるのにありえないと思わない? な? 興味が湧くだろ?」
……確かに。
桜井先輩は普段から感情豊かな方だし、幽霊絡みの話が出た時はポンコツになるくらいに気持ちが大爆発してる。
なのに、オーラは透明……って、ありえない。
これは確かに「特別」だ。