心霊現象 研究同好会


そう言った先輩が、チラリと私を見る。

そのあと、再びおばあちゃんに視線を戻した。



「恵美子さん、俺たちは諏訪さんを使おうだなんて思ってないですよ。 危険な目に合わせたいとも思っていない。 行き先が心霊スポットだから、まったく危険がない…とは言えないけど、俺がちゃんと見てます。 ちゃんと守ります。 だから……──」

「いいわよ。 芽衣子の両親には私から話しておく。 週末のお出かけも、私が許可するわ」

「──……え、いいんですか?」


「うん、思ってたよりも真面目に活動してるみたいだし、郁也くんが一緒なら大丈夫そうだしね」



……あれ……。

あっという間にオッケーになっちゃった……。



「……おばあちゃん。 私が入会しても、怒ったりしないの……?」



ようやく言葉を放った私に、おばあちゃんはニコッと笑った。



「怒らないわよ。 というか、郁也くんには怒ろうと思ったけどね。 ふざけた活動をして人様に迷惑かけちゃダメでしょ、って。 でも、結構 ちゃんとした会みたいだしね。 少なくとも郁也くんが入会してからの一年間で、何も問題は起こっていないんでしょ? だったら大丈夫かな、って思ったの。 ……あぁでも待って、入会するのに一つだけ条件をつけさせてっ」

「え……条件?」



急にどうしたんだろう。

ていうか、いったいどんな条件が……?



「芽衣子と郁也くん、お互いのことを名前で呼び合うことっ。 それが条件よっ」



……名前で…って、それが条件っ!?

なにそれっ!?


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