心霊現象 研究同好会
「だから高校の時は桜井のところに行くことが多かったんだ。 透明なんて初めて見たから、どう変化するのかスゲー気になっちゃって。 まぁ、色々喋ってるうちに色だけじゃなくて桜井自身のこともスゲー気に入ったんだよね。 今はあんまり会えてなかったけど、でも良い友達だって思ってるよ」
と智樹先輩が笑った時、今まで無言だった桜井先輩が口を開いた。
「人のオーラが見える…ってヤバくないっ!? 神代っ、さっそく記事にしようっ!! 智樹先輩インタビューしてもいいですか いいですよね ありがとうございますっ!!」
「……は?記事? インタビュー? 何言ってんだ?」
さっきとは逆に、今度は智樹さんと紗良さんがポカンとしている。
そっか、桜井先輩が超有名サイトの管理人だってことは、二人は知らないんだ。
そりゃあ突然インタビューだなんだって言われたら、意味がわかんなくて呆然としちゃうに決まってるよね……。
「……先輩、落ち着いてください。 とりあえずメシにして、話はその時にしていきましょう」
「おっ、そうだった。 じゃあ智樹先輩っ、あとでもっと詳しく教えてくださいねっ!! 絶対ですよっ!!」
少年のように目をキラキラさせる桜井先輩に対し、郁也先輩は少し面倒臭そうな顔をする。
さっきは全然表情を変えなかったのに、桜井先輩に対しては変えるんだ……さすが桜井先輩……。
まぁ何はともあれ。
これからみんなで夕食だ。
私が持ってきた三段の重箱を一段ずつテーブルの上に並べ、プラスチックのお皿とコップ、割り箸も用意する。
それと、智樹さんが追加でローストビーフとパック寿司も買ってきてくれた。
おまけにデザート用としてケーキもあるらしい。
重箱だけなら運動会のようだなって思ってたけど、ここまで来るとなんだかお誕生日かクリスマスのお祝いみたいだ。