心霊現象 研究同好会
「いや何もしなくていいですよっ。 謝罪は受け入れますがそれ以上は必要ありませんっ。 そんなことされたら俺が智樹先輩に殺されますっ……!!」
と言いながら、その視線は紗良さんと智樹さんの間を行ったり来たりしている。
……智樹さんのニッコリ笑顔が、超絶怖い……。
私にオーラは見えないけど、今の智樹さんのオーラはきっとドス黒い色になっている。
もしくは、地中深くにあるドロドロのマグマのような真っ赤な色で、今にも爆発寸前となっているかもしれない。
……どちらにしてもヤバそうだ……。
「よかったなぁ桜井、いやジェイド様? 俺の彼女が身を捧げてくれるってよ?」
「いやいやいや捧げなくていいですって!! お二人の邪魔はしないのでどうぞ末永く幸せに暮らしていってくださいっ!! 俺は幽霊さんに愛されればそれでいいのでっ……!!」
顔を青くする桜井先輩と、目をウルウルさせながら縋りついてる紗良さん。 そして相変わらずのこわーい笑顔の智樹さん。
……触らぬ神に祟りなし。
ということで、私と郁也先輩は三人に気づかれないようコッソリと隅の方に移動して、そのまま静かに廊下へと出た。
部屋の中から響くギャーギャーと騒がしい声を聞きながら、フゥと息を吐く。
その後、私たちは二階へと続く階段のところに向かって そこに腰を下ろした。
「なんだか大変なことになっちゃったね」
「ですねぇ……。 まさか紗良さんが、倉本くんと同じ系統だったとは……」
「ふふっ、ほんとだね。 あぁそうだ、その倉本からさっきメッセが来てたんだけど、合宿で同じ班だった四人が同好会に入ってくれるんだって?」
「あぁそうでしたっ、そうなんですっ。 みんな私の体質を受け入れてくれただけじゃなくて、合宿が終わっても一緒に居てくれるんですっ。 もうほんと、めっちゃくちゃ嬉しいですっ」