心霊現象 研究同好会


学校がいつ再開されるかはまだわかんないけど、早くみんなのことを先輩たちに紹介したい。

そしてみんなにも早く先輩たちのことを紹介したい。

みんなで一緒に活動出来るなんて、絶対楽しいだろうなぁ。



「……って、そういえば、みんなにもサイトのことを話して大丈夫…ですかね? 私の体質を秘密にしてくれてるし、言いふらしたりはしないと思いますが……」

「あぁー、芽衣子さんと倉本の友達だし大丈夫なんじゃないかな。 むしろ話を共有しておかないと色々と不都合が出そうだし」

「……確かに。 私たちが今やってる同好会の活動って、サイトに載せるために使う写真や動画の整理ですもんね」


「うん、だから伝えるのなら一番最初がいいと思う。 まぁ最終的な判断は桜井先輩がするんだけど、あの人なら間違いなくすぐ伝えるでしょ」

「ふふっ、そうですね」



桜井先輩は、私に声をかけてきたその日にサイトのことを教えてくれた。

郁也先輩もきっと似たような感じでサイトのことを教えてもらったんだと思う。

そんな桜井先輩だから、きっとみんなにもすぐ伝えると思う。


満面の笑みを浮かべて、明るく、楽しそうに。

サイトの話だけじゃなく、きっと自分がどれだけ幽霊のことを好きかっていう話もするんだろうなぁ。

周りにどう思われるかなんて気にせずに、自分の気持ちをただひたすら真っ直ぐに。

まだ付き合いは浅いけど、でもわかる。

桜井先輩はそういう人だ。






「あっ、お前らこんなところにっ」



と、リビングに繋がるドアが開き、桜井先輩が顔を出した。

心なしか、やつれたような……?
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