心霊現象 研究同好会
智樹先輩は俺の色を「特別」だと言ったけど、俺は俺自身を「特別」だと思ったことはない。
俺は「他の人よりちょっとだけ心霊現象に興味がある」という、ただの高校生だ。
俺から見れば智樹先輩の体質の方が「特別」だし、同じような体質の神代や諏訪ちゃんだって「特別」だ。
「俺はこの先も今までと同じように過ごしていくだけだよ。 あぁでも基本は来る者拒まずだから、向こうが俺を望んでくれるなら大歓迎で迎え入れるけどね」
「……そんな物好きな幽霊は居ないと思います」
「えぇーどっかには居るかもしれないだろ?」
「まぁ居たとしても俺がぶっ潰すので問題はないですが」
「やめてさしあげてっ」
と、いつも通りのノリで言葉を返す。
そうすると神代も、ようやくいつもと同じように笑みを浮かべた。
ずっと緊張した顔だったけど、やっと落ち着いたみたいだ。
「……さてとっ、じゃあそろそろ作業に戻りますかー。 の前に、さっきの色がどうとかって話は秘密にしとけよ? 俺はそういうことをするつもりは一切ないんだからさ」
「了解です」
「ったく……これは俺と諏訪ちゃんだけの秘密だったのに……」
「前から思ってましたけど、やっぱり先輩って芽衣子さんのことを特別視してますよね。 それは異性として好ましく思ってる、という認識で合ってますか?」
と遠慮も何もなく言ってくるから、思わずふはっと笑ってしまう。
「お前はほんと、察しが良すぎるね」
「 「答え」は?」
「あーそりゃまぁ、「そうだよ」ってしか言えねぇなぁ」
「ですよね」
うん。
俺は諏訪ちゃんが好きだ。