心霊現象 研究同好会


【 如月 裕翔side 】


………

……




日曜日。

今日、俺は初めて心霊現象 同好会の先輩たちと会う。


現在の時刻は、九時五十分くらい…だろうか。

俺は今、透、桐生、住吉と一緒に指定されていた「赤茶色の屋根の家」を目指して歩いているところだ。

まぁ実際に入るのはその家ではなく、すぐ近くにある別の家…一学年上の神代 郁也さんって人の家にお邪魔することになっている。


神代先輩が諏訪と似た体質だというのは、蒼葉経由で聞いた。

そして彼がほぼ一人暮らしだということも聞いている。

彼の家なら話しにくいことも話せるから。 ということで、今日はその神代先輩の家に集まることになっていた。


で、今。

指定された「赤茶色の屋根の家」を見つけて、その近くにある別の家の玄関のところに座る男女二人のことも見つけたわけなんだけど……。



「……ね、なんか今って、気まずい状況……?」



と住吉が小声で言い、それに全員が頷く。


玄関前の…階段状になってる部分に居る諏訪は、膝を抱えて座っている。

視線は下の方に向けられ、なんだか寂しそうな顔だ。

その横に居る男性…同好会の先輩?に何か言われたのだろうか? とも思ったけど、その人も俯きながら どことなく辛そうな顔をしている。


こっちから声をかけていいものか……と思ってた時に、男性がパッとこっちに視線を向けた。



「……あっ。 もしかして諏訪ちゃんと同じクラスの……?」

「あー……ども、こんにちは」

「こんにちは」



柔らかい笑み。

というか、少しホッとしたような顔…だろうか?

横に座ってた諏訪も、俺たちの姿を見てホッとしたような顔を見せた。


……やっぱり二人の間で何かあったのかな。

と思ったけど、全員その点に触れることはなく、案内されるがまま中へと入った。


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