心霊現象 研究同好会


「あの、桜井先輩っ。 ここに書いてる「透明色」のこと聞いていいですか? 話の流れ的に「ジェイドが透明色」なんですよね? つまりは桜井先輩がそうだってこと…って合ってます?」

「あぁそれは……──」



と桜井先輩が向こうに近づこうとした時、神代先輩がそれを止めた。



「それは俺が話しますので、桜井先輩はちょっと買い出しに行ってきてください」

「──……えっ?」

「昨日と一昨日でほとんどのジュースを飲みきったな、と今 思い出したので。 なので飲みきった本人が買ってきてください」

「あ、はい」



有無を言わさぬ、にっこり笑顔。

あぁ……神代先輩は、透と同じで笑ってる時ほど怖いタイプかぁ……。



「如月、悪いんだけど先輩と一緒に行ってきてくれる?」

「え、俺っ!? ……いや、まぁいいっすけどー……」

「うん、じゃあよろしくね」



……また出たよ、にっこり笑顔。

つーかこれ、どう考えても「桜井先輩と話してきて」ってことだよなぁ。

周りをよく見てる神代先輩なら、諏訪と桜井先輩がなんとなくギクシャクしてるってソッコーで気づいたはずだ。

だから自分と同じようにこっそりと周りを観察してる俺に声をかけたんだ。

桜井先輩と一緒に行って、それとなく様子を聞いてくれ…ってことだと思う。


……仕方ない。

まだ桜井先輩と打ち解けてはいないけど、行くしかないか。


ということで。

サイトを見るのに夢中になってるみんなから離れ、俺は桜井先輩と二人で買い出しに行くこととなった。


< 233 / 283 >

この作品をシェア

pagetop