心霊現象 研究同好会


諏訪のことは好きだし、何か起きた時は守りたいとも思ってる。

だから俺は俺の気持ちを「知ってもらいたい」と思って、合宿中にすぐ告白をした。

で、もう振られている。

そして今は完全に「良い友達」っていうポジションだ。


だけど俺は「これでいいか」と思ってるし、これ以上のことはとくに何も望んでいない。

つまり俺は「諏訪に恋焦がれてるわけじゃない」ってことだ。


友達としては好き。

そして大切な友達だから無茶はして欲しくないし、何かあった時は守りたい。

そういう気持ちなんだと思う。


でも、そう考えてる俺の気持ちは 桜井先輩には言わない。

それを言ってしまえば、先輩は「よかった」って安心すると思う。

ライバルは居ない、って。

これから先もゆっくり色々考えていける、って。


だけど安心なんかさせてやらない。

だってその安心は、諏訪にとってはなんの意味も持たないものだから。


このまま「良い友達」で過ごすか「気持ちを伝える」かは、もちろん先輩が決めるべきものだ。

だけどその過程で諏訪との距離が開くのは違うだろ、って思う。

このままじゃ、意味もわからずに距離を開けられてしまってる諏訪が可哀想だ。



「まぁ俺は既に告白は済ませてるんで、先輩とは少し立場が違いますけどね?」



と煽る。



「今は「良い友達」ですけど、俺はその状態で終わるつもりはないので」



と更に煽る。

さて、どう返ってくるか……。






「告白…したんだ?」

「えぇ、俺は猪突猛進型なんで。 一度は振られてますけど、諦める気はないです」


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