心霊現象 研究同好会
「……あぁもう……つっかれたぁ……」
ベッド横の床に座り込み、呼吸を整えていく。
先輩は…顔は赤いし呼吸も浅めけど、そこまでしんどそうな感じはしない。
ひとまずは様子見…だな。
「……とりあえず、透に連絡しとくか」
向こうの家で待ってるみんなに伝えなきゃ。
と思った時、最初に頭に浮かんだのは諏訪の顔だった。
でも、実際は透に連絡をする。
諏訪に連絡したらきっと凄く動揺するし、最悪パニックを起こすかもしれない。 と思ったからだ。
その点、透なら大丈夫。
いつも通りの落ち着いた口調で話せば、周りの気持ちも自然と落ち着く…と思う。
だから最初は透に連絡して、向こうがどう動くかを待とう。
「……えーと、桜井先輩が…熱でダウン…したから、しばらく先輩の家で様子見しとく…っと。 このあとどうすればいいか、みんなの意見を聞かせてください…でいいかな。 そーしんっ」
すぐにメッセに気づいてくれればいいけど……しばらく経っても既読がつかなかったら電話しよう。
と思いながら、部屋の中を見渡す。
本棚の中にあるのは、主に心霊関係の本。
あとは旅行のガイドブックが多い。
サイトにアップされてる記事には、全国各地に出向いてる様子が記されてるから……その時に使用した物を丁寧に取ってるんだと思う。
心霊スポットに行くだけじゃなくて、普通に観光を楽しんだりもしてるのかな?
むしろ普通に楽しむ方がメインになってたりして?
梨乃先輩が一緒だったら、きっと普通に観光する時間の方が長そうだなぁ。
なんて想像しながら、一人でふふっと笑う。
「いつか、みんなでどっかに行きたいな」
桜井先輩、梨乃先輩、神代先輩。
そして俺、蒼葉、透、諏訪、住吉、桐生。
修学旅行みたいにみんなであちこちに行って、いっぱい写真を撮って、笑い合う。
そういうのが出来たら絶対楽しいと思う。
まぁ、普通の旅行と違って「心霊スポットに行く」っていうのも付いて回るから、それはちょっと嫌だけど……。