心霊現象 研究同好会
と普通に会話をしてるけど、これって実は、結構 凄いこと…だよね?
だって、私と郁也先輩が見たモノは「ちゃんと同じだ」という証明になるから。
まぁ、他の人に見えない時点で証明も何もないんだけど……。
でも私と郁也先輩は同じモノを見ている。 それは間違いない。
他の人には見えなくても、理解が出来なくても、私と郁也先輩はお互いのことをわかり合える。
その事実がとても嬉しくて、私は自然と笑顔になっていた。
けど、私たちの話を聞いていた桜井先輩はかなり複雑そうな顔だ。
「えぇ……ちょっと待って、そんなに嫌そうな顔してたの? 俺を見ながらってことだよね? うわぁ、超ヘコむ……」
「先輩がああいう態度の時は、大体みんな嫌そうな顔ですよ」
「……傷口に塩を塗るのはやめてくれ」
「とりあえず、一連の写真は全部削除でいいですか?」
「あー……うん、消していいや。 俺や樫村が見ても「見える」って状態なら現像して保管しておいてもいいけど、今のままじゃ憎たらしい顔のお前がひたすら並んでるだけだしな。 よし、抹殺しろっ。 葬り去れっ」
「はいはい、仰せのままに」
呆れた顔を見せながらも、郁也先輩は躊躇うことなく写真を削除した。
「はい、全部消しましたよ」
「よっしゃ。 じゃあ綺麗サッパリ気分バッチリになったところで、週末に行く場所の話をしようかっ」
さっきまでヘコんだ顔だったのに、もう元気に笑ってる。
その桜井先輩が、スマホを操作し……とある動画を表示させた。
動画の長さは二分くらいで、【幽霊いたかも!?】というタイトルでSNSに載せられ、随分と話題になっているらしい。