心霊現象 研究同好会
『二人とも付き合いが長いから、ちょっとした変化でもすぐ気づくんだろうね』
「気づいてたなら、そっちの家でそのまま寝かせときゃいいのに……」
『ふふっ、それは確かにそうかも。 ……あ、先輩たちそろそろ出発するみたい。 先輩たちが到着するまで、そっちはよろしくね』
「うん、そっちは頼むよ。 じゃあまたあとで」
『うん。 じゃあ、また』
そうやり取りしたあと、電話を切る。
その時に、ふと…先輩がモゾモゾと動くのが見えた。
電話、うるさかったかな?
「……先輩? 大丈夫ですか?」
「…………諏訪ちゃん…………?」
「いえ、如月です。 一年の如月 裕翔。 俺が家まで運んだこと覚えてます?」
「あぁ…………うん、ありがとう。 ごめん、もう平気だから……」
「どこが平気なんすか。 いいから静かに横になっててください」
起き上がろうとした先輩を制し、そのまま寝かせておく。
触れた部分が熱いから…まだまだ熱はありそうだ。
「……如月……如月…裕翔くん……裕翔くんはさ……」
「なんですか?」
「……裕翔くんは、きっと…凄くモテるんだろうね……」
「 は ぁ ? 」
え、なに。
突然どうしたんだ?
「……うちの同好会…ヤバい……他の男子もみんなモテそう…ていうか女子も可愛い子ばっかりでヤバい……」
「……」
「……きっとこのまま、どんどんカップルが出来ていって……俺だけ余る……」
あー、そういや同好会って今は九人か。
男子が五人で、女子が四人。
なんやかんやで上手いことカップルが誕生していったら、確かに男子が一人 余る……って、そうじゃなくて。
これは確実に熱でおかしくなってるな。
というか、俺に語りかけてるというよりは独り言のように聞こえるから……夢と現実がゴチャゴチャになって、心の内がダダ漏れになってるのかもしれない。