心霊現象 研究同好会
【 神代 郁也side 】
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桜井先輩が熱でダウンした。 という話を聞いた時、最初に思ったのは「やっぱり」ってことだった。
いつもより静かだし、目を閉じて苦しさを堪えるような仕草もあったから、体調が悪いんだろうなって思ってた。
そんな先輩に飲み物を買いに行くように頼んだのは、「そのまま家に帰って休んでください」って意味合いでだった。
現に、先輩が家を出た直後に【 体調悪いなら家に帰って寝てください 】ってメッセージも送ったんだけど……それはいまだに未読のままだ。
やっぱり直接言えばよかったかな。 と少しだけ後悔しながら、樫村先輩と一緒に桜井先輩の家に向かって歩く。
その時、樫村先輩が横から俺の顔を覗き込んできた。
「こうやって二人で歩いてると、桜を見に行った日を思い出すね」
「あー、四人で行った日帰り旅行の?」
「うん、あの日みたいで楽しい。 だって神代くんと二人で話す時間って、あんまり無いんだもん」
と笑う樫村先輩を見て、俺もふっと笑みを浮かべる。
「メッセージのやり取りはたくさんするけど、確かに二人でこうやってのんびり話す時間は少ないかもですね」
「神代くんが居る場所には大体いつも桜井が居るからねぇ……」
「なんなら半同棲のレベルで一緒ですからね」
「ほんっとそれ。 夜もずーっと一緒なんてズルい。 ていうか超羨ましいっ。 私も男だったら、神代くんと一晩中一緒に居られるのになぁ……」
「一晩中一緒…って、別に俺と桜井先輩は同じベッドで寝てるわけじゃないですからね?」
「それはそうだけどー……」
不服そうな顔をする先輩を見て、思わず笑ってしまう。