心霊現象 研究同好会
「桜井先輩の家に行く前に、少しそこの公園に寄りませんか? 大事な話があるんです」
「えー改まってどうしたの? あ、もしかして愛の告白的なやつ? とうとう神代くんが私に惚れたっ? 出会ってから一年経ってようやく私のことを好きになってくれたのっ?」
「ようやくっていうか、出会ったその日からずっと好きですよ」
「……えっ!?」
あぁ、しまった。
もっとちゃんと言おうと思ってたのに、うっかり気持ちが溢れ出てしまった。
……まぁ、いいか。
どのみち言うつもりだったんだから。
とりあえず住宅街を抜けて、公園に向かおう。
放心してる梨乃先輩の手を握り、ゆっくりと引っ張っていく。
途中でチラリと先輩を見ると……目が合った。
先輩は顔が真っ赤になっていて、かなり慌てた様子だ。
「あ、あの私っ…いつもみたいに、その…冗談のつもりでっ……」
「「大事な話」を冗談で言ったりしませんって」
「……えと、じゃあ、あの……「大事な話」って……私のことが好き…って話……?」
「うん。 良い先輩だとか良い仲間って意味じゃなくて、一人の女性として好意を持ってます。 って話です」
先輩にだけ聞こえるだろうボリュームで、ハッキリと言う。
「俺は、梨乃先輩が好きです。 心底好きなんです」
それを知ってもらった上で……色々な話がしたい。 と、そう思ったんだ。