心霊現象 研究同好会


笑顔で言った俺に、梨乃先輩も ふふっと笑う。



「私も一目惚れ。 郁也くんの顔が どタイプで、お喋りするうちに性格も知っていって、もっと好きになったの。 だから告白したんだよ。 まぁ、あの時はソッコーで振られちゃったけどね」

「あの時は、まだ俺の力のことを言ってなかったので。 先輩はきっとどんな俺でも受け入れてくれるんだろうなっては思ってましたけど、それでもやっぱり……怖かったんです。 俺と一緒に居ると、先輩を不幸にさせてしまうかもしれない。 俺のせいで太陽のような笑顔が消えてしまうかもしれない。 それがどうしようもなく怖かった」

「……やっぱり、色々なことを考えてのことだったんだね。 でも、今日想いを伝えてくれたってことは……」


「そういうのを全部引っ括めても、先輩のそばに居たいと思ったからです。 あとはまぁ、嫉妬したから…ですね」



嫉妬。

という言葉を聞いた梨乃先輩は、キョトンとした顔だ。

この話はあまり口に出して言いたくはないけど……でもここまで言ってしまったのなら、きちんと言うべきだなと思う。

だから、隠さずにハッキリと言う。



「先輩、いつも倉本と仲良さそうに喋ってるでしょう? そういうのをそばで見てたら普通に嫉妬しますって」

「えっ、蒼葉はただの幼なじみだよっ。 ていうか弟みたいに思ってるってだけだし、むしろ蒼葉が心底惚れてるのって“ジェイド”じゃんっ……!?」

「そうだとしても男と女には変わりないし、いつかは恋仲になることもあるかもしれない。 それに、倉本じゃなくても今日 顔合わせした一年生の誰かと良い仲になるかもしれないし、今後 知り合った男と知らない間に仲良くなるかもしれない。 それをそばで見てるだけっていうのが嫌だったんです」


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