心霊現象 研究同好会
先輩の部屋には何度か来たことがあるけれど、相変わらず物が少なくて、とてもシンプルだ。
その中で一際 存在感があるベッドに横になっている桜井先輩は、スヤスヤと眠っている。
呼吸に乱れはないし、苦しそうな表情もしていない。
それでも熱はあるみたいで、いつもよりも少しだけ顔や首が赤い気がする。
でもまぁ、このくらいなら放っておいても大丈夫かな。
今日みたいに熱を出してぶっ倒れる、というのに過去 二回遭遇したけれど、どちらも一晩寝たら回復してた。
多分、今日も大丈夫だ。
「うん、これなら大丈夫だと思う。 このまま寝かせておいて、俺たちは向こうに戻りましょう」
「そっか、よかったぁ。 あ、起きた時用に何か飲み物とか食べ物あった方がいいかな? ちょっとスーパーまで行ってくるから二人は待っててねっ」
「え、スーパー行くなら俺も一緒に」
「大丈夫だよすぐ戻るからっ。 じゃあ行ってきますっ」
……と言い終わるかどうかの前に、梨乃先輩は一人で部屋を飛び出していった。
相変わらずの行動力だなぁ……。
なんて思っていた時、如月がフハッと笑った。
「梨乃先輩の行動力ヤベェー。 つーかスーパー行くならみんなで行って、向こうに戻った時に飲むようのジュースも一緒に買った方が絶対効率がいいのに。 ねぇ、そう思いません?」
「……確かにね。 まぁ今から追いかけてもすれ違いになりそうだから、素直に待ってようか」
「ですね。 じゃあ俺、その間に向こうに連絡しときますね。 もうちょいかかるけどそのまま待機でー、ってことで大丈夫ですか?」
「うん」
手早く行動に移す如月を見たあと、ベッド脇の床に腰を下ろす。
その隣に如月も腰を下ろした。