心霊現象 研究同好会
しばしの無言の時間。
そう思ったけれど、スマホでの操作を終えた如月がふと俺を見た。
「あの……神代先輩は、智樹さんみたいにオーラが見えたりとかってのは無い…んですよね? サイトに載ってた話は、丸々智樹さんの話、ってことで合ってますか?」
「そうだね、身バレ防止のために多少ぼかしてる部分はあるけど、あの話の内容はすべて智樹さんのことだよ。 俺はただ「この世のものじゃないモノが見える」ってだけだから」
「……そっか。 そうなんですね」
「もしかして、オーラのことで何か気になることでも?」
「あ、えーと、なんていうか……合宿中に智樹さんに言われた言葉が、なんとなく引っかかってて。 それがオーラと関係あるのかはわかんないですけど、でも もしかしたらそうなのかな? と気になってることがありまして」
そう言った如月は、眠ってる桜井先輩をチラリと見たあとに再び俺に視線を向けた。
「……合宿中、透に女の霊が取り憑いて……って話は、神代先輩も もちろん知ってますよね?」
「うん、一通りの流れは聞いてるよ」
「ですよね。 ……実はそのあと、俺ら六人と智樹さんだけでこっそり話す時間があったんですが、その時に言われたんです。 「この班のメンバーはあの女と波長が合いやすい」って。 あの時は「そういうこともあるのか」程度でしたけど、オーラの話を読んだあと、こう…なんとなく……不安になったんです」
「あぁ……なるほどね」
六人全員が、女性の幽霊と波長が合いやすい。
つまりそれは、全員が似通ったオーラの色をしているからだ。 と、如月は思ったんだろう。
……そしてそれは多分、当たっている。
俺にオーラは見えないけど、一年生六人は相性が良く、個々のバランスが良いように思えた。
まだ挨拶を交わした程度だというのに、それが即座に感じられるほどに。