心霊現象 研究同好会
智樹さん曰く、「オーラはその日の体調や精神的なものでも違ってくる」らしいが、それを含めた上でも六人はバランスがいいのだろう。
そして如月は、そのバランスの良さがいつか仇となるのでは…という心配をしているんだと思う。
「……もしかしたら俺たち、今後このことで迷惑をかけちゃうかもしれないです。 もしそうなったら ごめんなさい」
「いや、話してくれてありがとう。 六人の波長の話はあとで先輩たちにも伝えておくよ。 そうすればみんなでどこかに行った時に“何か”があっても、すぐに対応出来ると思うから」
「よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げたあと、如月はまた桜井先輩の方へと視線を向ける。
こんなに近くで会話をしていても、先輩は眠ったままだ。
「……神代先輩。 桜井先輩って、時々こんな感じで倒れたりとかもあるんですか?」
と、不意に質問を投げかけられる。
「んー……今日みたいに倒れることは稀だけど、でも無茶をすることは多いね。 休むように促しても「あと少しだけ」で三時間くらい作業を継続したり、みんなで手分けしてやろうって言ってるのに結局一人でほとんど全部進めてたり。 幽霊のことになると無邪気に はしゃいで馬鹿一色になるけど、でも普段は真面目だし責任感も強い。 そういう人だよ」
「そっか。 じゃあ桜井先輩が無茶しすぎないように、俺ら一年生は頑張っていかなきゃってことですね」
「うん、よろしく頼むよ。 俺一人じゃなかなか制御出来ないからさ……」
「ふふっ…了解です」
そんなことを話しながら、二人で笑い合う。
その後、梨乃先輩が戻ってくるまでの間に二人でゆっくりと話を続けた。
桜井先輩を起こしてしまわないよう、お互いに声を抑えながら。
他人と話すのはあまり得意じゃないけれど、如月とは凄く話しやすい。
周りをよく観察する者同士だから、もしかしたら俺たち二人も波長が合うのかもしれないな。
なんて思いつつ、その後もゆったりとした時間を楽しんだ。