心霊現象 研究同好会


だけど、でも……。



「……上手く話せるかわかんないけど、私……先輩と話したい」



話すのは怖い。

だけど話したい。

というか……今はただ、無性に先輩に会いたい。

先輩の…顔が見たい。



「オッケー、じゃあ あとで神代先輩にお願いしよう」

「……うん。 あの、如月くん……色々と迷惑かけちゃってごめんね」

「別に平気だよ。 ていうか迷惑だなんて思ってないし。 俺は俺のしたいように動いてるだけだから。 よし、じゃあ作業に戻ろうぜ」


「うん」



またふっと笑った如月くんが、私の肩をポンと叩いた。

とても優しく、穏やかに……。


──その後。

リビングで作業をしていた梨乃先輩に呼ばれ、昼休憩を取ることに。

それからデリバリーのピザをみんなで食べながら、それぞれが調べたことの情報を共有していく。

そのあと私たちは更に二時間ほど作業を続け、桜井先輩の様子を見に行くというタイミングで今日は解散ということになった。


桜井先輩の家に私と如月くんが行くことは昼食中に郁也先輩に話し、その場で快諾されている。

更に言えば、実はついさっき……郁也先輩のスマホに桜井先輩から電話がかかってきた。

「心配かけてごめん」という謝罪の電話で、それと同時に「体調はだいぶ良くなった」という報告もされ、その電話を受けた時に私と如月くんが様子を見に行く…ということを郁也先輩が話した。

最初は「もう大丈夫だよっ」と断られたけど、でも如月くんが「絶対行く」と言って譲らず……。

最終的には桜井先輩が折れ、「迷惑かけてごめんね」という言葉のあと、通話を終えた。


ということで。

これから私と如月くんは、桜井先輩の家に行く。

そこで先輩と色々な話を…していけたらいいな……。






「じゃあみんな、今度は学校でねー!!」



と元気よく手を振る梨乃先輩。

郁也先輩とは玄関で別れ、梨乃先輩をはじめとする他のメンバーは駅へと向かう。

そして私と如月くんは、桜井先輩の家へと向かって歩き始めた。





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