心霊現象 研究同好会
【 如月 裕翔side 】
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神代先輩の家を出てから、無言のまま二人で歩いている。
横を歩く諏訪は、凄く緊張してるみたいだ。
何か声をかけようか? とも思ったけど、さっきみたいに余計なことを言ってしまいそうだったからやめることにした。
──「あの時の様子を見てた俺から言わせれば、「寝ぼけてたから」で済ますのは先輩が可哀想すぎるよ」
……あの時の発言は、紛れもなく失言だった。
諏訪を困らせる。 ってわかってたのに。
むしろ桜井先輩にも迷惑をかけるような発言だったと思う。
……桜井先輩は、朦朧とした意識の中で本音をこぼしていた。
きっとその時の記憶は残っていないだろう。
だから諏訪が言った「寝ぼけてただけ」っていう憶測は実際に当たってると思う。
俺が余計なことを言わなければ、次に会った時の二人はきっといつも通りに笑って話していたはずだ。
本当に、余計なことを言った。
俺のせいで二人の関係が劇的に変わってしまうかもしれない。
良い方向にではなく、悪い方向に。
そうなった時、どう責任を取ればいいか……正直今はよくわからない。
だけどこのまま放っておくことは出来ないから、「二人で色々話した方がいい」と諏訪を促した。
諏訪と桜井先輩の仲を取り持つため。 という建前と、自分の罪を少しでも軽くしたい。 という本音……。
俺は本当に最低最悪な奴だ。 と自分自身が嫌になるけれど、ここまで来たらもう引くことは出来ない。
二人の関係がどうなってしまうのかはわからない。
俺はそっと二人を見守り、そして出来うる限りにフォローをする。
それだけだ。