心霊現象 研究同好会
部屋の中は、午前中ととくに変わりはない。
ただ、梨乃先輩が買ってきたスポーツドリンクの空のボトルが枕元に置かれている。
どうやらちゃんと水分補給は出来てるらしい。
よかった。
それなら完全復活も近そうだ。
「お待たせっ。 さ、座って座ってー」
と考えていたら、桜井先輩がすぐに戻ってきた。
そのあとすぐ、両手で抱えるようにして持ってきた座布団を三枚 床に敷く。
俺たちは促されるまま座布団に座り、桜井先輩もそのうちの一つに腰を下ろした。
「まず、如月。 さっきはマジでごめんな。 ちょっとしんどいなーっては思ってたんだけど、まさか倒れるなんて自分でも思ってなくてさ……」
「ほんとですよ。 ていうか神代先輩に聞きましたけど、今までも何度かこういうことがあったんですよね? もう…少しは学んでくださいよ」
「うぅ……ごめん……今後は気をつける……」
「ほんっと頼みますよ、運ぶのマジで大変だったんですから」
……って、先輩を叱りつけてしまった。
俺ってばまた余計なことを……。 と一人でヘコむけど、先輩の方がヘコんでるみたいだ。
周りに迷惑をかけてしまったことを、心の底から反省している…っぽい。
「……諏訪ちゃんも、心配かけてごめんね」
「えっと……はい……。 今後、気をつけてくれれば…全然……」
「うん」
……桜井先輩は普通に喋ってる…ように見えるけど、諏訪はまだ少し喋りにくそうだ。
その影響か、そのまま会話が止まってしまった。
だから仕方なしに、俺が声を発する。