心霊現象 研究同好会


「マジで、なんかあったら言えよ?」

「うん、わかった。 如月くん、帰り道あっちでしょ? もうここで大丈夫だよ」

「いやいやいや、もう暗くなってきてるし家まで送るって」


「ウチはもうすぐそこだもん、大丈夫だよ。 じゃあまた学校でっ」



諏訪はひらひらと手を振ったあと、駆け足で俺から離れていった。

そのまますぐに曲がり角を曲がったから、あっという間にその姿は見えなくなった。

ダッシュで追えば即座に追いつくだろうけど、一人で過ごす時間も必要…か。

とくに今日は色々と考えたいこともあるだろうし、これ以上一緒に居るのはやめておこう。


と そう思ったから、あえて追わなかった。

これ以上はもう…俺には何も出来ない。



「……傍から見てりゃ、二人はちゃんとカップルに見えるんだけどなぁ」



お互いがお互いのことを思い、大切にしている。

桜井先輩は自覚のある「好き」で、諏訪は……まだ自覚のない「好き」、なんだと思う。

だから気持ちが上手く重ならない部分があって、戸惑ったり、ギクシャクしたり。

そしてそのせいで、今は少しだけ距離が開いてしまっている。


でも、桜井先輩は諏訪に近づこうと動き始めた…ように見えた。

あとは諏訪がどうするか次第だ。



「……頑張れ、先輩」



ポツリとそう言ったあと、諏訪とは違う道を進んでいく。

この先いつになるかはわからないけれど、いつかは二人から良い報告が聞けますように。 と、願いながら。





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