心霊現象 研究同好会
8 二人


【 諏訪 芽衣子side 】


………

……




合宿中の騒動から、約二週間が経った。


休校は予定通りに水曜日で終わったけれど、その後の部活動はしばらく休止のままだった。

だから私たちは、放課後に空き教室で会うことはなく。

学校が終わったら郁也先輩の家に集まり、それぞれ分担して作業を続ける。 という時間が続いた。


桜井先輩と話すのは……まだ、なんとなく気を使ってしまう。

でも先輩はいつも通りで、他のみんなと喋る時と同じように私にも笑いかける。

だから私も、「いつも通り」を意識しながら笑って喋っていた。

心の中ではまだまだ全然、いつも通りにはなれていないけどね……。


あれから二週間近く経ったのに、私はまだ先輩と二人で話せていない。

色々話したいのに、話すのが怖い。

時間が経てば経つほどに話しにくくなっていた。


……こんなことなら、やっぱり先輩の家に行った時に勢いに任せて話しておけばよかった。

と思っても、あとの祭り。

先輩は普段と変わらないのに、私だけ一人……二週間前にポツンと取り残されているような気分だ。


そんなこんなで、今日は再び巡ってきた日曜日。

朝からみんなで集まって作業をしようと決めていた日。 だったんだけど……。



「えっ、電車止まってるんですかっ?」

『うん、人身事故だって。 復旧にどのくらいかかるかわからないし、無理はさせたくないから今日の活動はやめようか。 って、さっき桜井先輩と決めたんだ』



……どうやら今、人身事故の影響で電車が止まっているらしい。

集合時間の十分前に郁也先輩から連絡が来たから、何事かと思ったら……まさかそんなことになってるとは……。


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