心霊現象 研究同好会


──その後、ご飯を完食した私はデザートのプリンまでしっかりといただき、最後のコーヒーも美味しくいただいた。

心も体も大満足の、最高の食事だった。


もっとこの場所でのんびり過ごしたいなって思ったけど、お昼のピークを過ぎてもお客さんがひっきりなしにやって来ていたので、さすがにもうお(いとま)することに。

会計を済ませる時、厨房から少しだけオーナーさんが来てくれて…奥さんと同じように、私たちに向かってニコニコと手を振ってくれた。

とても優しそうで、素敵なご主人だ。

そしてそれに応える桜井先輩もまた、同じように優しい顔で手を振り返していた。






「桜井先輩。 今日はありがとうございましたっ」



お店を出たあと、歩きながら声をかける。

食後のデザートまで頼んでしまったから、実は結構良いお値段になってたんだよね……。

さすがに高すぎると思ったから「やっぱり自分の分は自分で」って申し出たんだけど、それは先輩が許してくれなかった。


だから今、感謝の気持ちを込めてお礼を言う。

そんな私に、先輩はいつもみたいに明るい笑顔を見せた。



「そんなに畏まらなくていいのにー。 でも、満足してくれたみたいでよかったよ」

「はいっ。 もうすっごい美味しかったですっ。 デザートのプリンも濃厚で、でもトロッとしてて、口どけなめらかでっ。 あんなに美味しいの初めて食べましたっ」

「よかった。 実はプリンはテイクアウトも出来るから、今度みんなで集まった時に持っていくよ」


「わぁっ、そうなんですねっ。 みんなにも教えたいなーって思ってたから、すっごく嬉しいですっ」


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