心霊現象 研究同好会


……穏やかな顔なのに、言ってることは凶悪だ。

むしろ、穏やかな笑顔が逆に怖い……。



「桜井がソイツらをボコボコにしたら「サイト運営者が暴行容疑で逮捕」ってニュースになっちゃうからダメでしょ。 めいちゃん、私が()るからソイツらの情報ちょうだい」

「……えっ。 いやっ…梨乃先輩だってダメですよっ……!?」

「大丈夫、足がつかないように上手く殺すから。 あ、殺すって言っても実際にじゃなくて「社会的に殺す」ってやつね? そもそも動画に顔出ししてる時点でデジタルタトゥー刻まれてるんだから、もう一個くらい増えても大丈夫でしょ」

「……それでもダメですよっ……!!」



梨乃先輩もニッコニコの笑顔だけど、それがメチャクチャ怖い……。

……多分だけど、すっごく怒ってる。






「桜井先輩も樫村先輩も落ち着いて。 何もしなくて大丈夫ですから」



と、郁也先輩が表情を変えないまま言う。

だけどそのあとに、にっこりと笑って見せた。



「俺が生霊を飛ばして精神的にチクチクと攻撃しますんで、手出し無用です」



……陰湿っ。

ていうか先輩三人とも物騒だよっ。

みんな怖いっ……!!



「神代っ、お前いつの間にか生霊を飛ばせるようになったのかっ? つーか自由自在に操れるのかっ!?」

「んなわけないでしょ。 まぁでも、勝手に飛んで行ってる可能性は否定出来ませんけど。 念じとけば先輩のも飛ぶんじゃないですか?」

「ほほう? それはそれで面白いかもな。 いっその事、呪う方法でも探してみるか」


「呪いは自分にも返ってくるって言いません? 「人を呪わば穴二つ」って。 呪いにならない程度にやっていきましょ」

「あー、呪いが返ってくるのはさすがに嫌だな。 ハゲになる呪いとか超ヤバいじゃん。 一生ヒゲが生えないっていうのだったら逆に嬉しいけど」

「あぁ確かに。 それは もはや羨ましいですね」



と、何故か男子二人で盛り上がってる……。

でも、なんていうか……さっきまでのピリピリしたムードよりは全然いい。


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