心霊現象 研究同好会
恋愛は、関係ない。
そう言った桜井先輩は、いつもと同じ明るい顔を見せた。
「楽しいことを二人で共有して、ノリツッコミしながら笑い合う。 そういう何気ない時間が俺にとっても幸せなんだよ。 だからさ、これから先も一緒に色々楽しく過ごそうぜ? な?」
「……ありがとう…ございます……」
「よし、しんみりな雰囲気はもう終わりっ。 俺の「好き」を気にして 変に気を使ったりすんなよー?」
「それは……なんとか、頑張ります……」
「うん、頑張れ。 つーことで、今日はお開きにしようか」
「……はい」
ベッドから立ち上がった先輩に続き、私も立ち上がる。
……そのあとすぐに家を出た私たちは、私の家に向かってゆっくりと並んで歩いた。
先輩は、いつも通りに明るくて。
お店に向かう時とは違って、今は同好会の話をしている。
作業がだいぶ進んだからそろそろ週末のお出かけを再開しようか とか、人数が増えたから二箇所に分かれて調べてもいいかも とか、そういった話だ。
先輩は目をキラキラさせながら心霊スポットのことを話し、対する私は……当然まだ ぎこちない。
それでも少しずつ、本当に少しずつだけど話せるようになってきたし、家に着く直前には笑顔も出せるようになった。
まだまだ、いつも通りには行かなかったけどね……。
そんな状態で、別れの時間だ。