心霊現象 研究同好会
「よっしゃ。 じゃあ今回は心霊スポット関係なく桜を見に行こうっ。 とりあえず今回は日帰りでーってことでいい? それとも泊まりがけにする?」
「わぁ、お泊まりもいいねっ。 大きいお風呂に入りたいっ。 けど、桜が見頃ってことはやっぱり混んでるよね? そうなると、超高級ホテルの超良い部屋しか空いてなさそう……」
「あぁー……確かに。 そうなると予算的にキツいかも。 とりあえず調べてみようか」
ということで、色々なホテルや旅館の宿泊プランを眺めるけど……お手ごろな値段のところはどこもいっぱいらしい。
残ってるのは、樫村が言ったような一泊何万円もするような超高級ホテルの超良い部屋だ。
あとは……超ボロい…いや、年季が入った趣のある旅館くらいだ。
超高級ホテルで四人分の宿泊費となると さすがに厳しいし、年季の入った旅館は、安いっちゃ安いけど……初旅行を楽しみにしてるだろう諏訪ちゃんを泊めるにはちょっとな…という感じがする。
ビジネスホテルの空きも見てみるけど、週末はやっぱりどこもいっぱいだ。
「んんー……仕方ないけど、今回は日帰りだなぁ」
「ま、お泊まり旅行は今度ということでっ。 早朝に出発して、みんなでいっぱい楽しもっ」
ニコニコと笑う樫村を見ながら、俺たちも笑顔を見せた。
──その後、みんなで桜の名所を調べたり、ご飯屋さんを調べたり、電車の時間を調べたりしながら ワイワイと楽しい時間を過ごしていった。
そうやってるうちに時間はあっという間に過ぎ、気づけばもう外は真っ暗に。
そろそろ完全下校の時間だ。
「うわーヤバいっ、久しぶりに遅くまで残ったねっ。 ごめん、電車の時間があるから先に行くねっ。 片付けお願いっ。 じゃあ、お疲れーっ」
と、樫村が光の速さで空き教室を出ていった。
そのあとに帰り支度を始めたのは、神代だった。