心霊現象 研究同好会
「この旅館って……前にも記事にしてましたよね。 子供の幽霊…っていうか、座敷わらし?が出るとかって。 確か…二年くらい前にアップされてたような……」
「お、古い記事なのに見てくれてたんだ? 前にアップしたのは、俺が高一の時だね。 まぁ結果は「成果なし」だったけど。 その時は一人で泊まりに行ったから、今度は四人で行くのもいいかなーって思ったんだ」
「なるほど。 あれ? でも前回は一人でって……二年前だから郁也先輩が居ないのは当然として、梨乃先輩は一緒じゃなかったんですか?」
「あー、当時の樫村は、まだそこまで積極的に参加してる感じじゃなかったよ。 放課後はたまーに顔出てたけど、休日はほとんど不参加。 日帰りならたまーに来るって感じかな」
そうなんだ。
二人はかなり仲が良さそうに見えたから、一年生の時から一緒に色々な場所に行ってるのかと思ってたけど…どうやら違うらしい。
「この同好会は俺が立ち上げたんだけど、人数が二人以上じゃないとダメでさ。 それで暇そうな樫村を誘ったんだ。 「自由参加でいいからー」って」
「そっか。 だから最初はそこまで積極的に参加はしてなかったんですね」
「そういうこと。 頻繁に出るようになったは、神代が入会してからだよ」
郁也先輩が入会してから…か。
後輩が出来たから きちんと参加するようになったのか、それとも……。
「あの……桜井先輩」
桜井先輩の耳元に、顔を寄せる。
「梨乃先輩って郁也先輩のことが好きなんでしょうか? というか二人って、実は付き合ってるとか……?」
梨乃先輩は郁也先輩のことが好きだから、同好会に頻繁に参加するようになった?
もしくは、二人は既に恋人同士で…だからこそ一緒に活動をするようになった……とか?