心霊現象 研究同好会
……そうなんだ。
なんか、思ってたよりも入りやすそうかも……。
やっぱり私が深く考えすぎてただけで、緊張とか不安を感じる必要なんてなかったのかもしれない。
「……あの、桜井先輩、梨乃先輩。 私で良ければ、その……よろしくお願いしますっ……!!」
立ち上がって、背筋を伸ばし、二人を真っ直ぐに見たあとに深々と頭を下げる。
……本当は、幽霊のことからは離れたい。
見えない人と同じように、ごくごく普通の生活を送っていきたい。
それは今でもそう思っているし、そのためにわざわざ知り合いの居ない他県の高校を選んだんだ。
だから本当は……凄く怖い。
心霊スポットに行くっていうのはやっぱり怖いし、この同好会に入ってるって周りに知られた時に、どういう反応をされるのかを見るのも怖い。
怖いけど……だけど今は、桜井先輩や梨乃先輩と一緒に笑い合いたい。 って思ってる。
私を受け入れてくれてる人たちと、一緒に居たいんだ。
「……めいちゃんっ、ありがとうっ」
「わっ……」
梨乃先輩が、ギューッと抱きついてきた。
最初に話した時よりも、かなり嬉しそうだ。
「これからよろしくねっ。 あ、連絡先の交換もしようっ。 夜とかもガンガン話したいしっ」
「……はいっ」
「ほら桜井もっ。 急に予定が変わった時とか すぐに連絡出来るように交換しときなよーっ?」
と、梨乃先輩主体で連絡先の交換会が始まった。
それが終わったあとは、みんなで雑談をしていく。
同好会だから顧問の先生は居ないらしいけど、たまーに写真部の顧問の先生が様子を見に来るみたい。
なんでも、写真部の先生は心霊系の話が大好きで、心霊スポットに行って写真を撮ったと話せばウキウキでやって来るのだとか。
なんてことを聞きながら、すっかり緊張もほぐれた頃──、
「すみません遅くなりました」
──ガラッとドアが開き、一人の男子生徒が中に入ってきた。