心霊現象 研究同好会


……郁也先輩のことをどう思ってるか…って、この流れで言うと、恋愛系の問い…だろうか?



「えっと……好意はもちろんあります。 でもそれは恋愛系の話じゃなくて、普通に「良い先輩だなー」って意味ですよ」

「えー、ドロドロの三角関係を期待してたのに」

「……変なことを期待しないでください」



まったくもう、性悪なんだから。

そういう桜井先輩も、実は梨乃先輩のことを恋愛対象として見てたりして?

と一瞬 思ったけど、この人はきっと「生きてる人間よりも幽霊と結婚したい」とか言い出しそうだな……と思い直したから、問いかけるのはやめた。



「そんなことより、選定を進めていきましょ」

「はいはい、ちゃんと仕事しますよーっと。 で、どっか行ってみたい場所はある?」

「私、旅館に行きたいです。 って思ったけど、宿泊予約を取るのは大変ですよね。 元々人気の旅館ですし、今は心霊ファンにも人気が出てますし」


「うん、実際その通りなんだよね。 「出る」って部屋の予約は、だいぶ先まで埋まってる。 平日なら多少空きもあるみたいだけど、さすがに学校を休んでまでは行けないしね」

「あー……やっぱりそうですよね」

「他のお客さんがチェックインしてくる前に少しだけ入室の許可を貰って撮影する…っていうのも出来なくはないけど、せっかく行くなら定点しかけつつ寝ずに検証したいんだよなぁ」



とても残念そうな顔をする桜井先輩が、ため息のあとに苦笑いを浮かべた。



「ま、仕方ないさ。 一応女将さんには「キャンセルが出たら連絡ください」って言ってあるから、運が良ければ行けるようになるよ」

「そっか……。 じゃあ今は、行けますようにーって祈っとくしかないですね」

「そういうこと」


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