心霊現象 研究同好会
「ま、同好会の活動に支障が出ない程度なら何をやってもいいけど。 つーか今日は諏訪ちゃんの入会を祝うための旅行だったはずなのに、樫村が馬鹿なことしてごめんなー?」
「いえいえ、私は梨乃先輩のこと応援してるのでっ。 それに、生き生きとしてる梨乃先輩を見てるとメチャクチャ元気が貰えますしっ」
「あー、元気が貰えるっていうのは俺も一緒かな。 アイツが居ると場が明るくなるのは間違いないし。 しかし、二時間か……結構長いけど、このあとどうする?」
「あ、確かに。 この辺りは一通り巡ったし、正直 何をすればいいのか迷っちゃいますよね」
梨乃先輩と郁也先輩はどうするつもりなんだろう?
もっとのんびり桜を見て回ったり、出店を覗いたりするのかな?
それとも、少し違う場所に移動するとか?
事前に調べてた情報だと……バスに乗って十分くらい行くとショッピングモールがあったはずだ。
時間があったらそっちに行ってみるのもいいかーって梨乃先輩と喋ってたから、もしかしたらそっちに向かったのかもしれない。
私たちもショッピングモールに行ってみる?
でもそこで会ったら別行動にした意味がないし……。
「んー……桜井先輩は、どこか行きたい場所とかってありますか?」
と声をかけた時、桜井先輩がニヤリと笑ったのが見えた。
あ、これは多分、良からぬことを考えてる顔だ。
「実はねー、この近くに「出る」って言われてる場所があるんだ。 そこに行ってみない?」
「……うわ、やっぱりっ。 絶対そういうこと言うと思った……!!」
「大丈夫大丈夫、そんなに陰湿な雰囲気のところじゃないから。 よし、行こうっ」
「……桜井先輩こそ、行動力の塊じゃないですかー……!!」
と訴えても、為す術もなく……桜井先輩に手を引かれながら、駅に向かって歩き出した。