心霊現象 研究同好会


そういえば、同好会のメンバーは三人って言ってたっけ。

この人が、最後の一人……。



「お、やっと来たかー。 お前が居ない間に新メンバーの加入が決まったぞー」

「とか言いつつ、どうせ俺の時みたいに無理矢理 連れてきたんでしょ?」

「あ、バレた? でも合意の上での加入だから無問題(モーマンタイ)っ」


「……まったく。 また去年みたいに「ポスターを見てると変な人に勧誘される」って噂されますよ? もうやめてくださいね?」

「オーケーオーケー、もうしないから大丈夫だっ」

「ならいいんですけど」



呆れたように息を吐いた彼の視線が、私に向く。



「初めまして、二年の神代(かみしろ) 郁也(いくや)です」

「あっ……諏訪 芽衣子です、よろしくお願いしますっ……!!」

「うん、よろしく」



あまり表情を変えない神代先輩は、椅子を近くに持ってきて 私の隣に腰かけた。

向かい側には桜井先輩と梨乃先輩が座っている。

お菓子や飲み物が置かれた机を、全員で囲む形だ。



「で、今度の週末はどこに行く予定なんですか?」

「えーっと、今回は隣の県だね。 SNSで話題になってたから、ちょっと気になってたんだ」

「あぁ……もしかして学生グループがおふざけで廃屋に入って動画を撮って、それに女の人が一瞬映ったとかなんとかってやつですか?」


「そうそう、それ。 隣の県って言っても電車で片道二時間くらいだから、距離的には行きやすいかなーって思って。 あ、いつも通り所有者には連絡済みで、入る許可と 外観と中を撮影する許可、それとサイトにアップする許可も貰ってるよ」

「了解です」



……おぉ、ちゃんとしてる。

SNSに上がってる動画や写真って、私有地に無断で入って撮影してるのが多い。 っていうイメージだけど……先輩はちゃんと許可を取ったんだ。

でも、サイトって?


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