心霊現象 研究同好会
本当に大丈夫かなぁ……と心配になるけど、今は桜井先輩を信じよう。
「……梨乃先輩と郁也先輩には、言っとかなくて大丈夫ですか?」
「大丈夫だって。 むしろ向こうの邪魔しちゃ悪いっしょ。 それに、言ったらメッチャ怒られるし」
「怒られるって自覚はあるんだ……。 まぁでも、そこまで危険そうな場所ではないみたいだし、サッと行ってサッと帰ってくれば大丈夫…ですかね?」
「うん、なんかあったら俺が全力で守るから安心しとけー?」
「……何もないことを祈っておきます……」
不安が募っていくけれど、それでも動き出した先輩を止めることは出来ない。
それを知っているから、私はただただ先輩について行くだけだ。
──その後、駅に着いた私たちは、移動の邪魔になりそうだったカップのジュースを急いで飲み切り、それぞれトイレも済ませた。
そんなことをやってるうちに電車が来る時間になったので、慌てて切符を買い、改札を抜ける。
そして なんとかギリギリでホームまで到着し、電車に乗り込むことが出来た。
そこから二駅移動し、すぐに降りる。
更に徒歩で七、八分行くと……目的の緑地公園に到着だ。
「おぉー、綺麗なところじゃん。 メッチャ楽しみっ」
「元気ですねぇ……」
正直なところ、私はかなり疲れた。
寝不足な状態なのに、桜まつりの会場に着いてからは ほとんど歩きっぱなしだったし。
それに、ここから更に歩くことを考えると……それだけで憂鬱な気持ちになってしまう。
「……まさか、緑地公園の端から端までは行かないですよね……?」
「あ、それは大丈夫。 ネットに書かれた情報を元にして、ある程度の目星はつけてきたから。 中に入ってからは そんなに歩かないよ」
「……それを聞いて安心しました」
端から端まで行くってなったら、一時間以上は歩きそうだもんね……。