心霊現象 研究同好会
「……桜井先輩って、恋をしたこと ありますか?」
「え?」
「……あっ、いやっ…すみませんっ、なんでもないですっ……!!」
何 言ってるんだ私っ!?
なんで突然そんなことを聞いちゃったのっ……!?
「……急にごめんなさいっ!! あ、あのですねっ、梨乃先輩のことを思い出しててっ……!! 私は全然 恋とかしたことないなーって思って、それでふとっ、桜井先輩はどうなのかなって思ってしまいましてっ……!!」
うわぁー超恥ずかしい。
ほんっとに私、急に何を言ってるんだろう……。
頭の中で色々考えてるだけならまだしも、言葉が漏れ出てしまうとは……。
「あのっ、サラッと聞き流してくれて大丈夫ですからっ。 むしろ忘れてくださいっ……!!」
そう言った私に、桜井先輩がふっと笑う。
少年っぽくではなく、優しく、穏やかに。
「じゃあ、この件はノーコメントで」
「……もちろんっ。 全然それで大丈夫、というかそれでお願いしますっ!!」
「うん。 さてと、そろそろ行こっかー。 まだ時間に余裕はあるけど、近くまで戻ってた方がいいしね」
「……はいっ」
ベンチから立ち上がり、並んで歩き出す。
……よかった。
突然 変なことを言ってしまったから、メチャクチャ引かれたと思ったけど……いつも通りだ。
とホッとした時に、先輩が声をかけてきた。
「諏訪ちゃんってさ、一人で色んなことグルグル考えてそうだよね」
「……へっ? あ、えーっと……そうですね、そういうタイプかもしれないです。 そのくせ、急に変なことを言っちゃったりとかも…ありますね……」
「あぁごめん、別に窘めてるわけじゃないよ? ただ、俺と似てるかもなーって思ったから言っただけなんだ」
……似てる、のかな?
桜井先輩は即行動に移すタイプのような気が……。