心霊現象 研究同好会
なんて喋りながら、二人で笑い合う。
私と桜井先輩は全然 立場が違うけど、それでもこうやって笑って話せることが嬉しい。
一緒に笑い合える時間がとても楽しくて、凄く好きだ。
「……桜井先輩。 溜まってる作業を早く片付けて、また一緒に出かけましょうね。 私、先輩たちと もっとたくさん思い出を作っていきたいです」
「うん、俺も同じ気持ちだよ。 なんなら作業を放っておいて出かけてもいいくらいだし」
「それはダメです。 ちゃんと終わらせてからじゃないと、絶対にダメですからね?」
「ちぇっ、ダメか。 でも、うん……頑張ろう。 みんなで頑張っていけば、きっとすぐに終わるもんなっ」
「はいっ」
頑張れば頑張った分だけ、そのあとにはきっと良いことが待っている。
だからこそ頑張れるんだ。
「とりあえずー、にらめっこの作業は六月末までに終わらせるっ。 んで夏休みは自由に活動するっ。 泊まりがけであちこち行くっ。 それを目標としていこうっ」
「はいっ、頑張りましょうっ」
どのくらいの作業量になるか、具体的なことはまだ全然わからないけど……。
それでもきっと大丈夫。
郁也先輩はもちろん、普段はノータッチだという梨乃先輩にも手伝ってもらって一緒に頑張ろう。
みんなで過ごす時間のために。
楽しい楽しい時間のためなら頑張れる。
「先輩っ、早く戻りましょっ。 梨乃先輩と郁也先輩にも早く伝えたいですっ」
「待て待て、電車の時間は決まってるんだから、そんな急いでも変わんないだろ」
「それでも早く戻りたいんですっ」
桜井先輩の手を引きながら走り出す。
この先はきっと大変だけど、それでも今はワクワクしている。
そのワクワクが抑えきれずに笑顔になる私に、桜井先輩は……、
「まったく、ウチの奴らは行動力がハンパねぇな」
……と言いながら、どこか楽しそうな笑顔を見せた。