心霊現象 研究同好会
──……その後。
梨乃先輩、郁也先輩と合流し、帰りの電車で色々な話をした。
しばらくは空き教室での作業を中心的に行うことを伝え、協力を仰ぐ。
郁也先輩は「よく桜井先輩を説得出来たね」と驚きながら賛成してくれて、
梨乃先輩は「そんなに写真溜まってるの!?」と別の意味で驚きながらも、「もちろんやるよっ」と快く言ってくれた。
そのあと、作業の振り分けなんかを話していたら……あっという間に時間は過ぎていき、気づけばもう最寄りの駅。
むしろ全然時間が足りないくらいだった。
まだまだ話し足りないけど、「今日はもう疲れただろうから、続きはまた学校でっ」ということで解散となった。
梨乃先輩は迎えの車が来るまで駅で待ち、桜井先輩は「さすがに一人で残せないから」ということで、梨乃先輩と一緒に駅に残った。
そして私は、朝と同じように郁也先輩と二人で歩き出した。
「んー、疲れたー」
グーッと背伸びをする私に、郁也先輩が笑いかける。
「後半、桜井先輩と楽しく過ごせた?」
「はい、楽しかったですっ。 郁也先輩は、梨乃先輩とどうでしたか?」
「俺も楽しかったよ。 桜まつりの会場近くにレトロな雰囲気の喫茶店があってね、そこでのんびり話をしてたんだ。 芽衣子さんたちはどの辺りに居たの?」
「えーっと、私たちは会場近くを適当にブラブラしてましたっ」
「そっか」
本当は電車に乗って別の場所に行ってたけど……心配されそうだから、そのことは黙っておこう。
「あの、郁也先輩っ……」
「ん?」
「……梨乃先輩と二人で話してる時に、去年の告白のことを聞きました。 「そういう対象として見ることは出来ない」っていうのは……やっぱり今も変わらないんですか?」
「あー……うん、そうだね。 それは今も変わらないよ」