心霊現象 研究同好会
「超ファンですっ!! 大大大好きですっ!!」
「おぉ、サンキュー。 ちなみに文章は神代が担当してるよ」
「マジっすかっ!? クールでカッケェ言い回しがメッチャ好きですっ!!」
……うん。
多分この人は大丈夫だ。
純粋にジェイドさんのファンって感じがする。
むしろ熱烈に愛しすぎてる感じだ。
「姉ちゃんに同好会のこと教えてもらった時に「あのサイトみたいだー」って思ったけど、まさかご本人様だったとはっ!! 俺もう死んでもいいっ!! むしろ死んで幽霊になって先輩方の活動を一生見守りたいっ!!」
うわぁ、ヤバい人だ……。
爽やかなイケメンの裏側が、こんな感じになっているなんて……。
「諏訪っ!! ジェイド様のことは絶対に誰にも言うなよっ!? 俺らだけの秘密だからなっ!?」
「えっ!? あっ、はいっ……!!」
本来ならそれは先輩方が言うセリフでは……。
と思いながらも、真っ直ぐな瞳に 嘘や偽りや疚しさはない…ような気がする。
……倉本くんは芸能人顔負けのイケメンで、明るくて、爽やかで、人当たりが良くて、クラスの中心的存在だけど、裏では全然違う顔も持っているかも……と不安だったけど。
でもこの人は、底抜けに良い人かもしれない。
良い人であって欲しいな。 と、そう思う。
──……その後、興奮状態の倉本くんをなんとか宥め、それぞれ作業に戻った。
今、空き教室には三台のノートパソコンがある。
全て桜井先輩の私物で、私と梨乃先輩、そして郁也先輩はSDカードに保存してある画像や動画をそれぞれのパソコンでチェックしていくことになっている。
メンバーの人数よりもノートパソコンの台数が少ないので、とりあえず桜井先輩は自分のスマホに保存してある動画や画像のチェックをしていく。 という風に 日帰り旅行の帰り道で決めていた。