心霊現象 研究同好会
入会したばかりの倉本くんは、今日は私と一緒に画像を見ることになった。
「クラスメートなら、これを機にもっと仲良くしてもらいたいから」という、梨乃先輩の要らぬ計らいのせいで……。
だけど……ただのクラスメートだった時よりは、今の方が喋りやすいのは確かだ。
ここに居る倉本くんは、憧れの人に近づきたくてウズウズしてる熱烈なファンの一人、って感じだから。
「うぅ…マジかぁ……サイトの手伝いが出来るなんて、最高すぎだろー……」
「……倉本くんは、ほんっとうにあのサイトが好きなんだね。 私も好きで結構 頻繁に見てるよ」
「おぉ、仲間ーっ。 ていうか諏訪はジェイド様のことを知ってたから入会したの?」
「ううん、それを知ったのは後になってからだよ。 私は、掲示板に貼ってあるポスターを見てる時に 桜井先輩に声をかけられたの。 そのあと半ば無理矢理に連れてこられたんだ」
「マジかっ。 ジェイド様に見初められた諏訪…超羨ましいっ……」
心の底から羨ましそうにする倉本くんを見て、ふと思う。
倉本くんって犬っぽいな、って。
それと、幽霊のことで興奮してる時の桜井先輩に似てるな、って、そう思った。
耳をピンと立てながらシッポをブンブン振り回す二人の姿を想像したら、ついつい顔が綻ぶ。
そっか。
今の倉本くんは話しやすいって思うのは、そういう理由なんだ。
犬っぽいし、桜井先輩と同じように なんの含みもなく笑うから。
だから「この人は大丈夫な人だ」って、そう思うんだ。