心霊現象 研究同好会


それを聞いた桜井先輩は、苦笑気味に笑っている。



「いやいや、予期せぬタイミングで別の写真が表示されてビックリしただけだって。 えーっと、ほら、情報集めのために心霊サイト巡りをしてたとするだろ? その時に急にエロい広告が表示されたらドキッとするし、しかもそれが人目のあるところだったら…って想像してみ? メッチャ気まずくなる気持ちわかるっしょ?」

「つまり、先輩の画像フォルダにはエロい写真が入っている、と」

「否定はしない。 が、別にさっきはエロい写真を見て焦ったわけじゃないぞっ? 確かにドキッとするような写真だったけど、でも決してエロくはないからなっ?」


「じゃあ俺が見ても平気ですね。 是非見せてください。 先輩が心霊以外の何でドキッとしたのか非常に興味があります」

「断るっ。 俺だけの秘蔵写真を安易に公開なんか出来るかっ」



……と、私の存在を忘れているのか、二人で盛り上がっている。

まぁ男子同士で盛り上がってるのは別にいいんだけど、エロい系の話なら、私が居ないところでしてもらいたい……。

とりあえず今はもう完全下校の時間だし、さっさと片付けを終わらせて帰ろう。



「……あのー、先輩方。 くだらない話は二人の時だけにしてくださいね? さ、帰りますよー」

「うっ…諏訪ちゃんが冷たい……」

「至って平常運転ですから」



にっこりと笑いかけたあと、カバンを持って空き教室を出る。

その少しあとに、桜井先輩と郁也先輩も廊下に出てきた。


外はもうだいぶ暗くなってきた。

人の出入りが少ないこの辺りは、廊下の電気も消えてるし……。

非常灯は点いてるけど、なんだかそれが逆に怖い感じだ。


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