心霊現象 研究同好会
そんな二人と一緒の班だなんて、上手く会話に入っていけるかな……? と最初は思ってたけど、二人はすぐに私とも仲良くしてくれて、あっという間に友達になった。
ちなみに穂乃果ちゃんは、班のリーダーである龍泉寺くんに恋心を抱いている。
なんでも、「穏やかな笑顔が最高に好き」らしい。
だから同じ班になった時は天にも昇る思いだったとか。
そんな穂乃果ちゃんを応援する沙綾ちゃんは、「他人の恋愛模様を見たり応援したりするのは好きだけど自分のことはイマイチよくわからない」と言っていた。
そういう風に思ってるのは、私とどことなく似てるかも。
人気の倉本くんと同じ班になった時も、「周りがうるさくて面倒臭そう……」と嘆いていたしね。
穂乃果ちゃんは、郁也先輩に恋をしてる梨乃先輩に似ている。
恋をしている点もそうだし、物応じしない性格もそうだ。
そして沙綾ちゃんは、「自分のことはよくわからない」と思っている私に似ている。
そんな感じで勝手に親近感を覚えていたからこそ、すぐに仲良くなることが出来たのかもしれない。
「おーい。 俺たちもそろそろ出発しないー?」
と、同じ班の最後のメンバー、倉本 蒼葉くんが笑いながら声をかけてくる。
周りを見てみると、他の班はほとんど出発し終わったみたいだ。
一年生は五組まであり、六、七人の班がクラスごとに六班で……合計三十班。
そのうち校庭に残っているのは、私たちの班も含めて僅かに四班だけだった。
「……ハァー……。 憂鬱だけど仕方ない。 よっしゃ、俺らも行くぞーっ」
と如月くんが無理矢理にテンションを上げながら言い、それに全員が「おーっ」と声を揃える。
幽霊が居るとわかってる場所に泊まるのは、私も憂鬱だけど……でも今は楽しもう。
同じ班のメンバーは幸いにも全員喋りやすいタイプの人たちだし、そんな仲間たちと一緒に過ごせるのは本当に嬉しい。
みんなと良い思い出が作れますように。 と密かに願いながら、学校を出発した。