無趣味なニセモノ令嬢は、乙女な騎士の溺愛に気づかない
(まるで大型犬みたい。すごくかわいい)
「グレッグ、欲しかった言葉を言ってくれて、ありがとう」
「そんなこと、婚約者なら当たり前だ。それにさっきも言ったが、俺のことを一番理解しているのはレイラ、君だ。それを知ってもらうためにも、俺のそばに一生いてほしいんだ」
そう言ってグレッグは少し体を離すと、私の手をぎゅっと握る。今度は子犬のような目をして、私の返事を行儀よく待っていた。その様子に思わずクスリと笑い、私は笑顔で彼に答える。
「ええ、喜んで! 一生そばにいるわ!」
私は自分でも驚くほど興奮していて、彼の胸に勢いよく飛び込んだ。