無趣味なニセモノ令嬢は、乙女な騎士の溺愛に気づかない

「俺がどうしてもこの舞踏会でプロポーズをしたいと、両親に伝えていたんだ! 優勝者として表彰された舞踏会でプロポーズなんて、ロマンティックだろう? 」


 そうでした。グレッグはこういう人でした。ものすごく満足そうなグレッグを見ていると、文句も出てこない。


(まあ、シャルロット様や妨害工作がなければ、普通に幸せな毎日でしたもの。グレッグはいつもどおりで、悪くないわね。あとの面倒な結婚準備は彼に任せて、しばらくは疲れを癒やしてゆっくりしましょう!)


 結婚式は準備にかなり時間がかかるものだ。なにも予定がない毎日を考えると、自然と口元がゆるむ。しかし私は結婚できることに興奮したグレッグをなめていた。


「そうと決まれば、帰るぞ!」
「えっ……きゃあ!」

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