無趣味なニセモノ令嬢は、乙女な騎士の溺愛に気づかない
「あなた、お人形遊びが好きなの?」
「人形遊びも、剣も、どちらも好きだ」
嘘だ。本当は人形遊びや刺繍をするのが楽しい。馬鹿にするなら勝手にしろという気持ちでいると、レイラは目を輝かせてポンと手を打った。
「あなた、私の盾になってくださらない?」
「えっ? 君を守るってこと?」
「そうよ。私ね、みんなから子供っぽくないってよく言われるの。それに女の子に必要な刺繍も苦手。お茶会での社交も好きじゃない。だからあなたが代わりにやってくれるなら、結婚したいわ」
急な結婚宣言に、一瞬ぽかんとする。でもすぐに悪くない考えのように思えて、レイラをじっと見つめた。
(……僕をからかってるのかな? )