無趣味なニセモノ令嬢は、乙女な騎士の溺愛に気づかない


 その、俺達は? 婚約者なんだし? 両家の親は早く結婚してもらいたがってるし? レイラも男に胸を押し付けるということは? どういうことかわかってる、はず……!!


 ほんの少し薄目を開けると、目の前に彼女の胸の谷間が見えた。ゴクリと喉を鳴らしそうなのを必死で抑えていると、しっとりと柔らかそうな胸の谷間に、つーっと汗がひとしずく流れていくのが見えた。


(ダメだーーーー!!)


 彼女はいつも苦手なことも頑張って、淑女であろうと努力してきたんだ! それを俺の欲望で台無しにしてしまうなんて、身勝手すぎる! それに俺にだって、結婚式も初夜も素晴らしいものにしたいという夢があるんだ!!

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