無趣味なニセモノ令嬢は、乙女な騎士の溺愛に気づかない
ピンチから救われてホッとしたとたん、本来の自分の目的を思い出す。こんなことにかまっている暇はない!今日は俺にとってすごく大切な日になるはずだったんだ! レイラに好きな男がいたってかまわない! 気持ちを伝えずに敗北するのだけは嫌なんだ!
俺は無我夢中でレイラを探し、無事に誤解を解き、プロポーズを成功させた。その後のことは正直忙しすぎて、記憶が曖昧だ。しかし少しでも早くレイラと結婚したいがために、頑張ったことに後悔はない。
(それにしてもあの日寝ずに考えた結婚式プランも、レイラのドレスも大成功だったな……)
純白のドレスを着たレイラは、まるで花の女神のようだった。上半身は体に沿わせるようにし、反対にスカートの部分は何枚ものドレープを重ねて花びらのようにデザインした。縫い付けたたくさんの宝石は陽が当たらずともキラキラと輝き、彼女が歩くたびに幻想的な雰囲気に包まれた。