無趣味なニセモノ令嬢は、乙女な騎士の溺愛に気づかない
俺達の友人もたくさん祝福してくれ、いい結婚式になった。そうそう、あの夜俺のピンチを救ってくれたカレン嬢とケイティ嬢も、俺が紹介した新しい婚約者と来てくれた。きっかけは招待状の返事だったが、もらったその手紙には2人がどれだけレイラに救われたかが書いてあり、俺は彼女達に心から共感した。
というのもカレン嬢とケイティ嬢は社交界デビューすると、成り上がりだと馬鹿にされることがあったそうだ。たしかに2人の家は希少だった綿の栽培に唯一成功し、一代で富を築いた男爵家だ。何代もかかって両家が土地や種の研究をし、ようやく成功したのに一部の者からは歴史が無い成り上がりとして馬鹿にされていた。
それを救ったのがレイラだった。レイラが彼女達の良質の綿のおかげでぐっすり眠れるので感謝していると、みんなの前で言ったらしい。しかも勇気を出してお茶会に誘えば、ニコニコと来てくれる。社交界の花であるレイラに認められたことで、2人も馬鹿にされることが無くなったという。