無趣味なニセモノ令嬢は、乙女な騎士の溺愛に気づかない


 レイラは社交ができないと言っているが、正直な気持ちで話す言葉が一番の社交になって彼女達を救っていた。俺も彼女の言葉に救われたからよくわかる。


 同士だな! と2人に共感し、すぐに真面目な友人を紹介したら、その日の内に婚約が整ってしまった。2人の元婚約者は謹慎のうえ縁談は絶望的だというし、さぞ浮気して破談になったことを後悔しているだろう。自分の結婚式で明るく気立ての良い令嬢が、本当の幸せを手に入れた姿を見るのはとても嬉しいものだ。


 まあ、一番嬉しかったのは、レイラからキスされたことだが。


 レイラは苦笑いをして「素直にならなきゃいけませんね」と言っていたが、俺の前ではいつも素直な感情のままだからよくわからない。

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