信じてる
彼女はあの日のように弱々しくはなかった。
たぶん、友達もそれなりにいるのだと思う。
だから、二年生に上がり同じクラスになったとき、普通に話すことが出来た。
友達にもなれた。
でも、彼女はそれでも孤独だった。
だって、誰にも心を開いていなかったから。
あの頃よりもただ嘘をついて自分を繕うのが得意になっていただけで、中身はまだずっとあの頃のままだった。
だからこそ、彼女が一度だけ笑ったあの日のこと、俺は絶対に忘れない。
今度は、弱々しくもなく、繕ったものでもない、自然な笑顔をみたい。
それを守りたい。
でも、そんな彼女の笑顔を俺以外の誰にも見せたくない。
だから、もう彼女を手に入れたからには絶対に手放さない。
彼女が俺のことを好きじゃなくても、彼女の姉が邪魔をしようと絶対に。
だって、俺は彼女のことがずっと好きだから。
だから、そんな想いさえ知らない彼女にさえも届くように俺の彼女になってくれた彼女を強く抱き締めた。
いつか、二人の想いが一緒になることを信じて。
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