独占愛~冷酷御曹司の甘い誘惑
どういうこと?
時間を間違えた?
「時間が急に変更になったとかは……」
「いいえ、そのような履歴はございません」
「そう、ですか……すみません。お騒がせしました」
愛想よく見送ってくれた店員に頭を下げ、入ってきたばかりの店を出る。
頭の中は疑問符でいっぱいだ。
「――あら、彩萌さん?」
店を出て歩道に踏み出したところで、背後から声をかけられた。
反射的に振り返ると、日菜子さんが立っていた。
「今日の食事会、どうして来られなかったのかしら? 皆さんお会いできるのを楽しみにされていたのよ。なんの連絡もなく、ドタキャンだなんて失礼じゃありません?」
一方的に言われた内容が、理解できない。
「……食事会は二時からと伺っていたので来たところだったんです。そうしたら、十一時半からだと伺って」
「二時? まさか、最初から十一時半ですわよ?」
「でも、いただいた招待状には二時からだと……」
「そうそう、途中で時間変更になりましたのよ。お茶会ではなくランチ会をと要望をいただいて……すっかり忘れておりましたわ」
そう言って、日菜子さんは大袈裟に目を見開き、口元に片手を当てる。
綺麗に巻かれた長い髪を揺らし、もう片一方の手で日傘の向きを変えた。
時間を間違えた?
「時間が急に変更になったとかは……」
「いいえ、そのような履歴はございません」
「そう、ですか……すみません。お騒がせしました」
愛想よく見送ってくれた店員に頭を下げ、入ってきたばかりの店を出る。
頭の中は疑問符でいっぱいだ。
「――あら、彩萌さん?」
店を出て歩道に踏み出したところで、背後から声をかけられた。
反射的に振り返ると、日菜子さんが立っていた。
「今日の食事会、どうして来られなかったのかしら? 皆さんお会いできるのを楽しみにされていたのよ。なんの連絡もなく、ドタキャンだなんて失礼じゃありません?」
一方的に言われた内容が、理解できない。
「……食事会は二時からと伺っていたので来たところだったんです。そうしたら、十一時半からだと伺って」
「二時? まさか、最初から十一時半ですわよ?」
「でも、いただいた招待状には二時からだと……」
「そうそう、途中で時間変更になりましたのよ。お茶会ではなくランチ会をと要望をいただいて……すっかり忘れておりましたわ」
そう言って、日菜子さんは大袈裟に目を見開き、口元に片手を当てる。
綺麗に巻かれた長い髪を揺らし、もう片一方の手で日傘の向きを変えた。